脳性まひの二次障害 MAB法 ボツリヌス療法 (AJU福祉情報誌67号掲載)

 こんにちは、さつきです。私は1998年に、二次障害で首の手術をしました。その時、私自身情報が少なくて困ったので、脳性まひの二次障害で悩んでいる人たちへ向けて、治療法などの情報を届けたいと思っています。 さつきの二次障害体験談

 前回の藤田保健衛生大学病院神経内科の先生に、ボツリヌス療法についてインタビューしたのに引き続き、今回は愛知県心身障害者コロニー中央病院で、実際に障害を持っている人の治療を行っている先生方(麻酔科の重見先生、水野先生、整形外科の伊藤先生)にMAB法、ボツリヌス療法についてお話を伺って来ましたので紹介します。(2004.01)


麻酔科の水野先生、重見先生

Q:この治療は簡単に言うとどのような治療ですか?(痛み止めの注射と同じ?)

A:局所麻酔薬のリドカインと濃度を薄めたアルコールを緊張した筋肉に注射することでその筋肉の収縮を抑え治療する方法です。痛み止めの注射とほぼ同じです。

Q:この治療はいつ頃から行っていますか?

A:この病院では4年程前からです。京都府立医科大学ペインクリニックで痙性斜頚を治療していて、その治療法の一つとして京都大学医学部神経内科でMAB法を教えてもらい、こちらの病院に来てからは脳性まひの患者さんにも治療するようになりました。 ※ペインクリニック 痛みの治療

Q:男女、年齢、緊張の具合で治療の違いはありますか?

A:体の大きい人・筋肉の多い人などは薬の量を多くしたりします。ボツリヌス療法と同様にすでに縮んでしまった筋肉は伸びません。体型など考慮していますが、やってみないと分からないというところもあります。状態を観察しながら注射を打っています。

Q:一回治療を受けるのにどのくらいの時間がかかりますか?

A:緊張の強い筋肉を診て複数の部位に注射します。一回の注射は30秒位です。休憩を入れると全体で約20〜30分で、終わればそのまま帰ることができます。

Q:薬の量はどれくらいですか?

A:身体や筋肉の大きさによりますが、だいたい5〜20ccです。前腕には少量、肩には多めにというふうに量を変えます。

Q:今まで脳性まひの人をどれくらい治療しているのですか?

A:この病院に来てからはまだ5〜6人です。

Q:副作用はありますか?

A:アルコールを入れるので、子供やお酒に弱い人は顔が赤くなり、酔っぱらうことがあります。薬が身体に合わなければ、他の薬と同様に、血圧低下や呼吸困難などのショック症状が起きる可能性は否定できませんが、これは、どんな薬でも注射する時には可能性のあることです。たとえば蜂に刺されたときにショック症状が起きてしまうことがありますよね。

Q:効き目の評価は?今まで脳性まひの人を治療して効き目がない人もみえますか?

A:個人差が大きいと思います。子供で効果が長続きしない患者さんがみえました。注射した直後は必ず効果がでますが、それが何日あるいは何週間持続するか予想することは困難です。効果の評価については、客観的には変化がなくても、ご本人が効いていると自覚している患者さんもみえます。多くの場合、最初は1週間に2〜3回で始め、月1回様子を見ながら続けています。

Q:最初にMAB法を始めたのはどの病院ですか?

A:京都大学医学部附属病院だと思います。

Q:日本でこの治療を行っている病院は他にもありますか?

A:京都大学医学部付属病院神経内科や東京女子医科大学脳神経外科等が良く知られた所だと思います。

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