脳性まひの二次障害(2ページ)

Q6:手術しない治療法は?
A6:いわゆる保存的な治療法になるわけですが、はっきり言いまして脊髄の障害がいったんでてしまうと手術しない治療法ではよくならない。それまでの首が痛い、手が痛いなどの痛みだけの局所症状、神経根症状などであれば、薬とか軟性のコルセットで固定しますが、脳性まひの不随意運動のかなり強い場合、コルセットといってもなんのためにやっているか分からないほどの精度しかありません。唯一寝ている時に少しサポートするというような効果で私も使うことが多いです。頸部のソフトカラーについてはそういった治療を選択しておりますが、脊髄の症状が出てからですと、そういった治療法では抑えられなくて、どんどん進んで寝たきりの状態になる人が多くいます。
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Q7:二次・三次障害を防ぐための注意点は?
A7:普段の生活の中で疲れ、外傷、冷え、そういった筋肉、骨、皮脂組織の老化、脆弱化を防ぐようなことが大切だと思います。疲れを次の日まで残さない、筋肉の安楽な状態で寝る、寝具やまくらの高さなど、姿勢の良い状態で睡眠をとる。通常、脳性まひ以外の人でも同じ姿勢を続ければ当然肩こりの状態になりますし、肩こりの状態を続ければ首の骨や椎間板にいいわけありません。椎間板はクッションの役目をしているわけですが、その椎間板に過度の衝撃を与えることは避けるべきであろう。こういった注意点は比較的軽い障害で仕事をしているような人には大事だと思います。針、マッサージは効果があるかとよく聞かれるが、そういう意味では筋肉の疲労状態を健全な状態に戻すという効果はあると思う。あるいは温泉療法もいいと思います。もちろんこういった治療には限界はあると思います。
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Q8:二次障害発症の平均年齢、手術や治療開始の平均年齢は?
A8:脳性まひ以外の頸椎症の人では手術平均50歳前後と言われています。脳性まひの人では約10歳若い40歳前後と考えていいと思います。いちばん若い人では20歳で手術をした人もいらっしゃいます。そういう人のお話を聞きますと、10代から症状が出ています。40歳で手術をされる人でも10年くらい前から症状が出ているといった罹病(病気にかかっている)期間が長い人もいらっしゃいます。
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Q9:基準看護の問題点などありますか?
A9:私がこの病院に来た14年前で、うちの病院は58床が2つあるのですが、当時は脳性まひの人に慣れていなかったので、各棟に一人限定して入ってもらったんですが、最近は数名が常時入っている状態があります。問題になるのは重症度ですね。普段から全介助の人は家族の人、元々住んでいるボランティアに協力お願いしている。地域(金沢区、川崎、県)のボランティアグループにお願いしています。患者さんの中には体をふいてもらうのは抵抗がある人もいますし、ケースバイケースで対応しているのが現状です。病気になるまで歩いていたような軽い人でも術後1週間は夜間だけ家族の人、もしくは普段の状態を知っている身近なボランティアについてもらうようにして、術後、起きるまでに3〜5日かかります。その間つらいです。精神的な支えや介助などは身近な人のほうが有利な点が多いです。車いすにのり始めると比較的患者さんも精神的に落ち着いてくる。当初は痛みが刺激して緊張が強くなるという事実と、うちでやっている手術というのは首の動きがある程度少なくなる手術ですから、首の動きと連動して話をしたり、飲み込んだり、手を使ったりという脳性まひの人が多いので、しゃべりにくくなったり、飲み込みにくくなったり、手が使いにくくなったりする人が一時的にいます。それ以降は看護婦にお願いすることになるが、健常者の人より3倍以上は手がかかるのは事実です。実際問題として看護力のキャパシティーを越える人数を引き受けることは難しいです。
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Q10:発症後手術前に予防として筋力を鍛えることはどう思われますか?
A10:実際に脳性まひのアテトーゼ型の人で筋力を付けるのは難しい。アテトーゼの動きそのものが筋力を使っている事だけど、筋力の緊張がかえって骨にねじりの力を加えたりして、その動きでもって老化現象が少しずつ進んでいくわけですから、筋力を強くするという視点ではなくて筋肉というのは確かに背骨を守っている一つの組織です。筋肉の疲れが残らないようにするとか、冷えないようにするとか、筋肉が働けるような環境を作ることを心がけるといいと思います。訓練によって悪化する(骨というのは前後にずれる)場合もあるので、疲れにくい状態をつくることが大事だと思います。ストレッチは柔らかくする(関節をほぐす)という意味ではいいと思います。ただ障害の程度やアテトーゼのタイプによって、あまりしないほうがいい場合もあります。
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Q11:情報を集めるには?
A11:医学雑誌で調べることは一般の人でもできます。インターネットで調べればいくらか出てくるかも。日本人も論文を書いていますから。日本脊椎脊髄病学会が日本では大きく専門的ですね。
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Q12:小さい頃歩けるように訓練することは大切なことなのでしょうか?
A12:大事なことです。いったん獲得した能力が失われないように、なんとか二次障害を防ぐということです。先ほども言ったように普段の生活の中で、充分な睡眠やバランスの良い食事を取ることです。それから冷えないようにすること、眠るときの姿勢や寝具の工夫をすることです。
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Q13:名古屋からでも診てもらえるか?
A13:実際、全国各地からも治療に来ています。電話相談は時間がかかり難しいので、手紙、ファックスなどの文章か、E-mailが一番助かります。予約をしてもらえれば手術を含めた治療もします。入院は介助者または家族の人が泊まることもできます。やはり慣れている人についてもらったほうがいいと思います。
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Q14:手術のタイミングは?
A14:脊髄の症状が出てきたら早いほうがいいです。元々の障害があるので難しいですが、感覚障害(感じがわかたなくなる)が両手足に出てきたら早めに手術をする必要がある。手術後は定期的に検査は必要。年々歳は取るわけだから。二次障害っていうのは一種の病気ですから、風邪をひいたら病院に行くのと同じように首の病気だから治療を受けるのは当たり前ですよね。初期の症状の人は治る人もいます。
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