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精神障害者保健福祉手帳

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精神疾患の症状

統合失調症

統合失調症は障害状態をもたらす精神疾患の中で頻度が高く、多くの場合思春期前後に発症する疾患である。幻覚などの知覚障害、妄想や思考伝播などの思考の障害、感情の鈍麻などの感情の障害、無関心などの意志の障害、興奮や昏迷などの精神運動性の障害などが見られる。意識の障害、知能の障害は通常見られない。急激に発症するものから、緩徐な発症のために発病の時期が不明確なものまである。経過も変化に富み、慢性化しない経過をとる場合もあり、障害状態も変化することがある。しかしながら、統合失調症の障害は外見や行動や固定的な一場面だけからでは捉えられないことも多く、障害状態の判断は主観症状や多様な生活場面を考慮して注意深く行う必要がある。

残遺状態

興奮や昏迷を伴う症状は一過性に経過することが多く急性期症状と呼ばれる。これに対し、急性期を経過した後に、精神運動の緩慢、活動性の低下(無為)、感情鈍麻、受動性と自発性欠如、会話量とその内容の貧困、非言語的コミュニケーションの乏しさ、自己管理と社会的役割遂行能力の低下といった症状からなる陰性症状が支配的になった状態を残遺状態という。これらは決して非可逆的というわけではないが、長期間持続する。

病状

「精神疾患(機能障害)の状態」の記述中に使用されている「病状」という用語は残遺状態に現れる陰性症状と対比的に使用される陽性症状を指している。陽性症状は、幻覚などの知覚の障害、妄想や思考伝播、思考奪取などの思考の障害、興奮や昏迷、緊張などの精神運動性の障害などのように目立ちやすい症状からなる。陽性症状は残遺状態や陰性症状に伴って生じる場合もある。

人格変化

陰性症状や陽性症状が慢性的に持続すると、連合弛緩のような持続的な思考過程の障害や言語的コミュニケーションの障害が生じ、その人らしさが失われたり変化したりする場合がある。これを統合失調症性人格変化という。

思考障害

思考の障害は、思考の様式や思路の障害と内容の障害に分けられる。様式の障害には、思考伝播、思考奪取、思考吹入、思考化声などの統合失調症に特有な障害の他に強迫思考などがある。思路の障害には、観念奔逸、思考制止、粘着思考、思考保続、滅裂思考、連合弛緩などがある。内容の障害は、主に妄想を指すが、その他に思考内容の貧困、支配観念なども含まれる。単に思考障害といった場合は妄想等の思考内容の障害は含まず、主に思考様式の障害を指す。

異常体験

幻覚、妄想、思考伝播、思考奪取、思考吹入、思考化声などの陽性症状を指している。

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そううつ病(気分障害=感情障害)

ICD−10(疾病及び関連保健問題の国際統計分類第10回改正)では気分(感情)障害と呼ばれ、気分及び感情の変動によって特徴づけられる疾患である。主な病相期がそう状態のみであるものをそう病、うつ状態のみであるものをうつ病、そう状態とうつ状態の二つの病相期を持つものをそううつ病という。病相期以外の期間は精神症状が無いことが多いが、頻回の病相期を繰り返す場合には人格変化を来す場合もある。病相期は数か月で終了するものが多い。病相期を繰り返す頻度は様々で、一生に一回しかない場合から、年間に十数回繰り返す場合もある。
また、そうまたはうつの病状がある病相期は、長期にわたる場合もあれば短期間で回復し、安定化する場合もある。病相期の持続期間は、間欠期に障害を残さないことが多いそううつ病の障害状態の持続期間である。間欠期にも障害状態を持つ場合は病相期の持続期間のみが障害状態であることにはならない。一般にそううつ病の病相期は数か月で軽快することが多い。
病相期が短期間であっても、頻回に繰り返せば、障害状態がより重くなる。一年間に一回以上の病相期が存在すれば、病相期がひんぱんに繰り返し、通常の社会生活は送りにくいというべきだろう。

気分の障害

気分とは持続的な基底をなす感情のことであり、情動のような強い短期的感情とは区別する。気分の障害には、病的爽快さがある爽快気分と、抑うつ気分がある。

意欲・行動の障害

そう状態では、自我感情の亢進のため行動の抑制ができない状態(行為心迫)、うつ状態では、おっくうで何も手につかず、何もできない状態(行動抑制)である。

思考の障害

思考の障害については統合失調症の記載を参照のこと。そうやうつの場合には、観念奔逸や思考制止などの思考過程の障害や、思考内容の障害である妄想が出現しやすい。

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非定型精神病

非定型精神病の発病は急激で、多くは周期性の経過を示し、予後が良い。病像は意識障害(錯乱状態、夢幻状態)、情動障害、精神運動性障害を主とし、幻覚は感覚性が著しく妄想は浮動的、非体系的なものが多い。発病にさいして精神的あるいは身体的誘因が認められることが多い。経過が周期的で欠陥を残す傾向が少ない点は、統合失調症よりもそううつ病に近い。
なお、ICD−10では、F25統合失調感情障害にほぼあたる。この統合失調感情障害とは、統合失調症性の症状とそううつの気分障害性の症状の両者が同程度に同時に存在する疾患群を指す。

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